夕空に背のび

特技はフットワークの軽さの(24)。読書と旅行と音楽と写真が好きです。主に東海・近畿をうろちょろしています。

宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』 を読んだ これは、ボクの勇気のハナシ。

活字中毒23年目なので、そろそろアウトプットがしたい。実は年間数十冊は小説を読む活字中毒です。新聞雑誌SNS電車の広告テレビの字幕…とにかくあらゆるものを読むくせを持って生まれ早23年。ちなみに今年は現在小説77冊。

ただ読むだけでも楽しいのですがせっかくなので読書記事を書いてみることにします。

 

宮部みゆきブレイブ・ストーリー

 記念すべき一作品目はアニメ映画化もされた『ブレイブ・ストーリー

映画化された当時読み、その重たさによく映画化したな!?と驚いた思い出の本です。

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

 

 

 あらすじ

主人公の亘は小学五年生。ちょっと理屈ぽいところもあるけれど、テレビゲームが好きなどこにでもいそうな子供。なんてことのない平凡な生活を送っていたある日、亘の父が突然、愛人と暮らすと家を去ります。あまりにも急な運命の変わりように動転する亘と母。亘は「こんな理不尽な運命を変えてやる」と、不思議な転校生美鶴に教えられた、運命を変えられる場所=幻界(ヴィジョン)に一人旅立ちます。

幻界に辿り着いた亘は勇者ワタルとなって水人キ・キーマ(トカゲっぽい見た目)やネ族ミーナ(猫)といった仲間とともに、宝玉を集め、願いを叶えてくれる女神様がいる運命の塔へ向かう冒険を始めました。先を進む魔導師ミツルの後を追って。

 

 好きポイント

とにかくわくわくする読むRPG

なんといっても、まるでRPGのような幻界がたまらなく魅力的です。個性豊かな異形の民族、それぞれの特徴を生かして活躍する幻界の人々、その土地に合わせた街、そして時には悪役まで。1つのRPGの世界として出てきても全く不思議ではない作りこまれた世界。

RPGをはじめゲームが大好きなワタル。私たち読者はそのワタルの目を通して幻界の綺麗なところから闇の部分までを堪能することができます。

ワタルとミツル 二人の旅人の対比

勇者になったワタルは、勇者になったからといっていきなり強くなることもなく手探りのまま冒険を始めます。一方のミツルは現世にいたころから抜群に賢いその頭脳をもってして大いなる魔導師として強大な力を操りながら旅を進めます。

未熟ゆえに数々の仲間と協力するワタルと、自分の信じる道を最短ルートで冷酷に進むミツル。この正反対な二人の旅人はいつしか、幻界全体を巻き込む残酷な運命の分かれ道にたたされ、悲しくもあまりに正しくて納得せざるをえないような結末が彼らを待ち受けます。

物語のラスト、私はミツルが愛しくなって胸がつまりました。宮部みゆきは正しく、容赦が無い。異論を唱える隙もないけれど納得もしているけれど、あんなに感情移入させたくせに、そんな。みたいな気持ちがうずまきました。

 

 

これは、勇気と運命と二人の小さな旅人の話。

 RPGが好きな人は同じくゲーム好きなワタルの目で見た、いきいきとした幻界をきっと好きになると思います。長編ですが、初宮部みゆき作品な人にもおすすめの作品。宮部みゆきの面白さと残酷さと正しさを味わえるシリーズです。