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夕空に背伸び

特技はフットワークの軽さの(24)。読書と旅行と音楽と写真が好きです。主に東海・近畿をうろちょろしています。

ごりごりの文系が『人工知能の核心』を読んだ。

中高大のすべてを文系で過ごしてきました。数学は苦手すぎて、偏差値30を叩き出したこともあります。

そんな私が棋士羽生善治さんとNHKスペシャル取材班の共著『人工知能の核心』をのめり込むように読みました。人工知能の本を読むのは初めてでしたが、羽生さんの丁寧で意志を感じる語り口のおかげでとても読みやすかったです。

 

 

 

人工知能の核心 (NHK出版新書 511)

人工知能の核心 (NHK出版新書 511)

 

 

本を読む前に人工知能について感じていたこと

人工知能は怖いと思っていました。よく目にするのは人間の仕事を奪う、とかそんなことばかり。得体の知れない未来が、すぐそばに迫っているという恐怖です。

あとは囲碁や将棋で人間に勝った負けたというニュースも聞いていました。人工知能が人間と対等に勝負する世界がもうここまできてるんだなと思ったことを覚えています。

 

本を読んで心に残ったこと

人工知能=人間の脳 ではない

最初から何も分かってなかった人の感想ですみません。でもこの事実は私にとって衝撃でした。

人間は五感や過去の経験や知識に基づいて様々な判断をくだしています。しかし人工知能は、膨大なデータを学習し、そのデータに基づいて判断をします。

だから人工知能は複合的な処理が苦手だそうです。すべての行動や可能性を徹底的に検討してからじゃないと動けない。

そのかわり単一のこと、特に囲碁や将棋は得意です。膨大なデータを検討し、最適な一手を繰り出せるとか。

このことを知ってまず、人間の脳が当たり前にやっている一瞬の判断は、実は結構すごいことなんだなと思いました。同時に人工知能が何でもかんでもやるパーフェクトな存在になるのはまだ時間がかかりそうだと感じました。

 

人工知能は人間のサポート役

学習した大量のデータに基づき、最適な判断をくだすことが得意な人工知能。しかし、人工知能の結論がどうやって導きだされているかはわからないそうです。

本でも述べられていましたが、その思考回路はまさにブラックボックス。また人間の善悪や倫理なども学習しなければ理解できません。

人工知能が裁判などで判決をくだすようになったとしても、その答えが倫理的に良いのか悪いのかを人間が判断することが必要だと思います。

全てを人工知能に頼り切るのではなく、個々人の判断力や思考力を鍛える必要がありそうです。

 

人工知能にできないところで戦いたい

この本を読んで感じたことは、複合的なスキルを身につけて自分なりにアレンジして生きていく時代になっていること。もう一つは人工知能が苦手とする、感情に訴えかけるような様々な文化を大事にしたいということです。

人工知能は単一の専門知識を勉強したりそこから判断をくだしたりすることが得意です。その処理能力や学習能力は人間が及ぶものではありません。

だから自分が今持っている知識や武器と、新たに獲得したスキルを組み合わせて、人工知能の手が届かないような場所で生きる術を身につけたい。できたら、人工知能と共存しながら生きてみたい。

そして、文化。どれだけ人工知能が発達して小説が書けるようになったり写真やデザインをできるようになったりしたとしても、人が作り出して選びぬかれたものには、人の心をふるわせる力があると信じています。同時に自然もまた人工知能で作り出せないものの一つ。

この二つを感じる心を大切にしながら、これからの人生を生きていきたいと思いました。