夕空に背のび

夕空に背伸び

特技はフットワークの軽さの(24)。読書と旅行と音楽と写真が好きです。主に東海・近畿をうろちょろしています。

谷川俊太郎展におでかけ。言葉×空間の広がりに飲み込まれる体験を。

きっと誰もが一度は音読したことのある詩の作者、谷川俊太郎さんの展示が東京で行われてたので行ってきました。

 

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詩と音声と映像の異空間

入ってすぐ最初の部屋は、広い空間の壁沿いにずらりとモニターが並んだ異様な場所。

ここでは3つの詩の朗読が繰り返し流れています。

ただの音声ではなく、早く読んだり交互に読んだり一人で読んだり時には何人もの声が重なったり。

その朗読に合わせてモニターの色や詩を読む人の口元を映した映像が次々については消え、ついては消え。

まるで異世界にワープしたような、音声と言葉で頭がいっぱいになるような、不思議な空間でした。飲み込まれそうだった。

特に好きだった朗読は ここ です。

あとかっぱも好き。とってちってた。

 

詩と詩人に多角的に触れる

続いての部屋は自己紹介という詩が一文ずつ書かれた棚が乱立し、その一つ一つに『定義』や『詩作』などテーマがつけられて関連するものが展示されている部屋。

この文章がずどーんと地面に刺さってる感じが好きです。

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言葉の海って感じ。

どのテーマの棚も興味深かったですが、詩作の棚で同じ音や響きの言葉を探したノートが好きでした。

口馴染みのいい詩はこうやって生まれるんだなあとしみじみ。「とってちってた」とかついつい言いたくなりますもんね。

あと棚の裏に貼ってある谷川俊太郎さんの一言にきゅん。

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こういうつぶやきみたいなの弱いです。大好物。

もちろん谷川俊太郎さんの詩も、開いた本型の展示物に書いて置かれていました。私が好きな『春に』や『朝のリレー』もあって嬉しかったです。

 

ただ言葉に向き合う

その部屋を抜けると椅子と壁と、壁に書かれた一編の詩だけのとってもシンプルな展示が登場します。

私はこの派手さも何もない 、真っ直ぐな展示に一番心を奪われました。

自分が何気なく使っている日本語がただ壁に書かれただけの空間に、不思議なほど圧倒されました。

行かれた際にはぜひ椅子に座って、詩を眺めるという体験をしてみてください。そしてできればそっと声に出してみてください。

すっと言葉が自分に浸透してくる感じがとても心地よかったです。

 

3.3の質問

最後の展示は谷川俊太郎さんが各界の著名人に3つと0.3の質問を投げかけた答えを展示しているもの。

それぞれ個性的な答えで、ああこの人らしいなあと思うようなことがいっぱいありました。特にお笑い芸人のあの方の答えは、いつだってその人らしい優しさがみえて好きだなと思いました。

え、そんな人にまで?みたいな方も回答者としてでてきますので、ぜひじっくりご覧になっていただきたいです。

こんな質問を投げかけたら少なからず回答者の性格が垣間見えるなとも思いましたし、このような質問を考え出す谷川俊太郎さんの知性やおちゃめさがすごく素敵だなと思いました。

 

詩や言葉を展示するということ

絵や建築などの展覧会には行ったことがありますが、詩の展覧会は初めてでした。

正直行く前は、言葉がただ並んでいるだけの空間かと思っていましたがそんなことはまったくなく、言葉の新たな表現を見たような気がします。

知っていた詩も映像だったり音声だったりによって、別の角度から見ることができるような。新鮮な驚きがつまった展覧会でした。

詩って難しく考えなくても、目で見て口に出して、すって入ってきたその感覚を大事にすればいいのかな。そんなことを思わせてくれる時間でした。