夕空に背のび

夜とラムネ

読書と旅行と日常と

130冊から選ぶベスト10冊2018

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今年もたくさん本を読みました!暇なとき読んで、仕事に行きたくないときに読んで、眠れない夜も読んで。そうして気づけば130冊。そんな中からベスト10冊を選んでみました。

 

2018年ベスト10冊

 

人質の朗読会
人質の朗読会 (中公文庫)

人質の朗読会 (中公文庫)

 

ある集団に人質にされた日本人旅行者のグループが1日1人ずつ、自分が体験した話を語っていくというストーリー。

年齢や性別、職業などもばらばらで、たまたま同じ旅行に参加しただけの彼らが語る、決して特別でない日常の話がこんなにも胸を打つのはどうしてなのかな。人質として囚われているという特殊なシチュエーションだからか、何気ない話の一つ一つがとても愛おしい。

小川洋子らしい、静かで読後にひっそりと胸に残り続ける傑作。

 

あと少し、もう少し
あと少し、もう少し (新潮文庫)

あと少し、もう少し (新潮文庫)

 

瀬尾まいこが綴る、駅伝に向かって団結していくでこぼこな中学生たちの物語。

駅伝にかける情熱も違う寄せ集めのチーム(優等生から不良、ムードメーカーなどなど)が、それぞれの事情を抱えながら、一つのレースに向かって努力していく様がとにかくかっこよくて愛おしい。自分のためにもチームのためにもがんばる姿がすてきだから、私は駅伝が好きなんだなあと。走ってるときは一人だから、登場人物たちの思いに寄り添えるのも好きなポイント。続編の君が夏を走らせるもおすすめです。

 

壇蜜日記 
壇蜜日記2 (文春文庫)

壇蜜日記2 (文春文庫)

 

等身大の壇蜜さんの言葉がすっと入ってくる日記。読後は彼女の淡々とした文章が、日常のそこかしこにすっと潜んでいるかのような感覚になりました。こんなにも人気がある中で、自分や仕事のことをフラットな感覚で見れる人って素敵だなと思います。

 

腐女子のつづ井さん3
腐女子のつづ井さん3 (ピクシブエッセイ)

腐女子のつづ井さん3 (ピクシブエッセイ)

 

人生を自分たちの力で面白くしていくつづ井さんの大ファンです。第3巻も期待を裏切らないどころか斜め上をいくつづ井さんと仲間たちの日常。どうやったらこんな豊かな発想が次から次へと出てくるのか。こうやって楽しそうだから、なにかに熱中している人の話を聞くのは大好きです。

 

ハリーポッターシリーズ 
ハリー・ポッター文庫全19巻セット(箱入)

ハリー・ポッター文庫全19巻セット(箱入)

 

一度は読んでみたかったファンタジーの名作、ハリーポッター。映画を見た後だったので、数々のシーンが文章で蘇ってくる体験がすごく面白かったです。そもそも文章で表現できていたからこそ、あの映画ができた訳で。こんなにすごいファンタジー小説あるんだなあという感じでした。私もハリーとダイナゴン横丁行きたい。ただ、ハリーと周りの運命が辛くなりすぎて6巻以降はまだ読めていません。私に勇気を…。

 

さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

初めて読んだ会計の本。日常によくある疑問を分かりやすく落とし込んで書いてくれているので、初心者でも理解がしやすかったです。これを読んで会計やお金のことに興味がわきました。簿記の勉強をしてみようかな。

 

人生を変えるモノ選びのルール
人生を変えるモノ選びのルール: 思考と暮らしをシンプルに

人生を変えるモノ選びのルール: 思考と暮らしをシンプルに

 

人気ブロガーの堀口さんが書いたモノ選びについての本。堀口さんのブログで紹介されているものはどれもついつい欲しくなってしまうのですが、その秘密がこの本に!という感じでした。これを読んでからは「理由がある」「その時の自分のNo1」を買うように心がけています。もっと本当に愛せるものだけで身の回りや部屋をかためたい。

 

日日是好日 
日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

 

今の時代を生きるために必要なのは、この作品に書かれているような日常を1日ずつ愛しんで大切に生きることなのかなと思います。日々が当たり前ではないのを知ることや、自分を受け入れること。こういうことが多くの人にとって必要だから、映画化もされたんじゃないかな。続けることに意味があるんだなということも教えてくれた作品です。著者の森下さんのように、私にはこれ!というものを見つけたいなと思うきっかけになった1冊です。

ゆるやかに背筋が伸びる生き方を知る。森下典子『日日是好日』を読んだ。 - 夜とラムネ

 

あの人は蜘蛛を潰せない   
あのひとは蜘蛛を潰せない (新潮文庫)

あのひとは蜘蛛を潰せない (新潮文庫)

 

2018年は彩瀬まるに心を揺さぶられ続けた1年でもありました。まずはこの作品。正しいってなんだろう、それは誰のためのものなんだろうっていう問を心に突きつけてくる、とてもひりひりする小説です。自分にとって正しい自分でありたいなと思うけど、果たしてそれはどこからやってきたものなのか。みっともなくてももがいていかなくちゃ。来年も読んでひりつきたい。

彩瀬まる『あのひとは蜘蛛を潰せない』を読んだ。 ちゃんとした、とか、みっともないってなんなんだろう。 - 夜とラムネ

 

やがて海へと届く  
やがて海へと届く

やがて海へと届く

 

彩瀬まる作品をもう1冊。読み進んでいく段階から苦しくてたまりませんでした。震災で行方不明になった親友と私の物語なんですが、この主人公の私が、自分とすごくダブって見えてしまって。幸いにもまだ大切な人を亡くした経験はありませんが、私は、きっと主人公のように立ち止まって悲しむことを正解としそうだなと。いつまでも喪失の中にいることはできないのに、そこにい続けることを望みそうで。読み終わった瞬間から、「これは私と彼女の物語だ」という感想が頭を離れませんでした。凄まじい疑似体験。でもこんな体験ができるから小説ってやめられない。

 

 

以上、2018年のベスト10冊でした。

見返してみると彩度低めな本が多いな〜という印象ですが、それもまた良し。来年もたくさんの本に出会いたいです。