夕空に背のび

夕空に背伸び

特技はフットワークの軽さの(24)。読書と旅行と音楽と写真が好きです。主に東海・近畿をうろちょろしています。

人生をともに歩んできた2冊の小説

今回は読書記事の中でも少し変化球。ブログ仲間のemiさんの企画に参加している記事です。

    

 

大事に持ち続けていく本

幾多の断捨離を乗り越えて、手元に残しておきたい本を紹介するこの企画。

実は自分で買った本は捨てられない質なので、実家から出るときに連れていった2冊を紹介します。(いきなり微妙に趣旨がずれてすみません)

 

emiさんの記事はこちらから。

emi-journal.com

 

ずっと一緒の小説たち

そのときは彼によろしく

とある地方都市で小さな水草ショップを営むぼくのもとに、ある夜ひとりの美しい女性が現れる。店のドアに貼ってあった求人チラシを手にして……“アルバイト募集 年齢性別不問。水辺の生き物を愛する方ならどなたでも"。この出会いが、奇跡の始まりだった。著者の愛する映画『ノッティングヒルの恋人』へのオマージュで始まるファンタジックな青春ラブストーリー。'07年6月の映画公開に向け、著者初の、そして待望の長編文庫化!

そのときは彼によろしく (小学館文庫)

そのときは彼によろしく (小学館文庫)

 

2007年に映画化されたときに買った本なので、もう10年以上の付き合い。

ちょっと変わり者の男の子2人と女の子1人、大人になった彼らとその周りの人達の物語です。

物語の中に流れる、優しい時間がとても好きで。

人生には痛いことも苦しいこともある。それでも、隣にいる大切な人達を大切にすることの愛おしさとあたたかさに、しみじみとします。登場人物たちが、みんな少しずつ不器用なところもいい。

1年に1回は読み返している大好きな小説です。

 

失はれる物語

もう1冊は、乙一の短編集です。

目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見たて、日々の想いを演奏で伝えることを思いつく。それは、永劫の囚人となった私の唯一の救いとなるが……。表題作のほか、「Calling You」「傷」など傑作短篇5作とリリカルな怪作「ボクの賢いパンツくん」、書き下ろし「ウソカノ」の2作を初収録。

失はれる物語 (角川文庫)

失はれる物語 (角川文庫)

 

たぶん家にあったから、ふと手にした本。その後母が売ったのでしょうか。いつの間にか無くなっていたので、自分で買い戻しました。

この短編集にはゾッとする話から、結末が幸せかどうか考えさせられる話などいろいろな物語がつまっています。

その中でも私が好きなのは「しあわせは子猫のかたち」。

ある一軒家を借りた人付き合いが嫌いな大学生と、前の住人がのこしていった白くてふわふわの子猫、そして、前の住人の幽霊の話です。

話の根底には喪失感と切なさが漂っているのですが、そこにある儚いひだまりみたいな日常がたまらなく好きです。胸がぎゅってなる。

このふかふかの幸せの中にいる主人公が、少しずつ変わっていくのもいいなあと思います。人を動かすのは北風じゃなくて、太陽なんだなと思わせてくれる作品です。

 

連れてきたのは私の根っこにある本たち

emiさんのブログに「本棚を見ればその人がわかる」と書かれていましたが、たしかに、自分の一番深いところをぐっと掴まれた作品を、ずっと大切に持っているなと感じました。

そして、なんだかいろんな人の本棚をのぞいてみたくなりました。皆さんも企画に参加してくださると嬉しいです。

企画の概要はこちらのemiさんの記事をご覧ください。

emi-journal.com

 

emiさん、すてきな企画に参加させていただき、ありがとうございました!