夕空に背のび

夕空に背伸び

特技はフットワークの軽さの(24)。読書と旅行と音楽と写真が好きです。主に東海・近畿をうろちょろしています。

読んだ本たちひとことレビュー 2018年7月・8月編

 

 

出張なんかが多く、そんなに数を読んでないので7月と8月まとめて紹介します!

 

日の名残り

 

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

 

 

イギリスのお屋敷に勤めているベテラン執事が、旅行中にかつての主人の栄光や自身の思い出話をしていく物語。

主人公の執事はとても実直でまじめ。だから、新しい主人となったアメリカ人のためにジョークを研究したり、「立派な執事はこうあるべき」という自身の理想に基づいて淡い恋をスルーしたりしてしまう。ものすごくいい人で仕事ができるのもわかるけど、ユーモアや柔軟性が少し足りなくて、見ているとくすりと笑えてしまいます。

最初はとっつきにくいなと思っていましたが、読んでいくうちに丁寧で実直な執事が逆に愛おしくなりました。

 

 月と六ペンス

 

月と六ペンス (新潮文庫)

月と六ペンス (新潮文庫)

 

 

京都にある同じ名前のカフェに行ってから気になっていた1冊。遅咲きの天才画家を、知り合いの作家の視点で見つめていく。

「天才」は周りの人間をいやおうなしに巻き込んでいくのだなぁと思いました。本人が意図しようとせざると。ある種の自然現象に近いのかな。

 

 

 チーズと塩と豆と

 

 

ヨーロッパの食をテーマにしたアンソロジー集。

誰かと生きていくということは、食事を共にすることかもしれない。同じ食卓に着くことで分かり合えたり見えたりすることがあって。どこかで聞いた「泣きながらご飯を食べたことがある人は強い」という言葉も思い出しました。

全然関係ない話ですが、この題名見るといつもフォカッチャを食べたくなります。

 

スカイ・クロラ

 

スカイ・クロラ (中公文庫)

スカイ・クロラ (中公文庫)

 

 

戦争がある世界に生きる、永遠に大人になれない「キルドレ」の戦闘パイロットたちの話。映画化もされています。

ハードな世界観のはずなのに淡々と展開されていく物語と、主人公の静かな語りが好きで何回も読み直している作品です。大人に利用されているとかそんなことはどうでもよくて、ただ敵を倒すために戦闘機で飛び続ける姿が好き。あと文庫版の表紙がとても好み。

 

六人の超音波科学者

 

六人の超音波科学者 (講談社文庫)

六人の超音波科学者 (講談社文庫)

 

 

閉ざされた超音波研究所で起こる密室系殺人ミステリー。

どうやらシリーズもののよう。途中の巻から読んでしまったのと主人公たちのキャラが濃くて、あんまり物語に入り込めませんでした。

ミステリー的には森博嗣のお手の物という感じの、ちょっと不思議かつ理論整然とした科学系で面白かったです。

 

とにかく散歩いたしましょう

 

とにかく散歩いたしましょう (文春文庫)

とにかく散歩いたしましょう (文春文庫)

 

 

小川洋子のエッセイ集です。

小説家のエッセイ集はその人の作品のイメージが崩れるのが嫌であんまり読まないのですがこれは読んで正解。小川洋子作品のイメージそのままの、静かでひっそりとしていてどこか熱くてという文章と内容でした。彼女自身もまた彼女の小説の登場人物の一人なのかと錯覚しそう。

 

不思議の国のグプタ

 

DL特典付 不思議の国のグプタ―飛行機は、今日も遅れる

DL特典付 不思議の国のグプタ―飛行機は、今日も遅れる

 

 

前代未聞のTOEIC小説。

TOEICを何回か受けた人なら思わずわかるってなるようなネタが満載ながら、不条理ミステリーに仕上がっている不思議な作品です。どんな切り口でも小説ってできるんだなと驚きました。

 

カソウスキの行方

 

カソウスキの行方 (講談社文庫)

カソウスキの行方 (講談社文庫)

 

 

左遷された28歳独身OLが、同僚を好きと「仮想」してみる話。

パッと見の設定は奇抜ですが、現実にこんな人たちいそうだなって思えるのが津村記久子のすごいところ。小さな感情や日常を救い上げるのがうまい。人への感情が無かなにかしらの有になった時に、動くものがあるんだと思わされます。

 

物語のおわり

 

物語のおわり (朝日文庫)

物語のおわり (朝日文庫)

 

 

ある未完の小説原稿を手にした人たちが主役の連作短編集。

様々な事情を抱えて北海道を旅する人たちのもとをリレーしていく、未完の原稿。人々が抱える思いが、そのままそれぞれが考える小説の結末へと反映されていっているのが面白かった。オチもきれいな短編集でした。

 

ぼくたちは習慣で、できている

 

ぼくたちは習慣で、できている。

ぼくたちは習慣で、できている。

 

 

続けることで自分を少し認められるっていう新しい視点を得られた本。

挫折が多く継続力のない私ですが、少しずつ続けられるものを増やしていければと思わせてくれました。とりあえず、お風呂あがりの10分ストレッチは続いています。長座体前屈、3cmは記録が伸びたはず。

 

笹の舟で海をわたる

 

笹の舟で海をわたる

笹の舟で海をわたる

 

 

少女時代に戦争を体験した、ある女性の人生の小説。

激動の時代、だなんて今からみれば一言で表現されてしまったりもするけれど、あの大きな出来事が変えたのはひとりひとりの人生や価値観なんだと思った。新しい「自由」な時代の空気を受け入れ難い人がいるということも、なんというかそりゃそうだよねって気持ち。それもまた一つの価値観だから、排除とかじゃなくて共存したいなあと思う。

 

アンダーリポート/ブルー

 

アンダーリポート/ブルー (小学館文庫)

アンダーリポート/ブルー (小学館文庫)

 

十五年前の隣人撲殺事件と、その裏に隠されているかもしれない交換殺人を追う『アンダーリポート』と衝撃の後日譚『ブルー』の二部作。

とにかく主人公の周りの女性がしたたか。撲殺された隣人の妻の人生観には考えさせられるものがありました。