74冊から選ぶ2022ベスト7冊
今年も年間ベスト本を選ぶ日がやってきました。読んだ冊数は去年より20冊ほど増の74冊。勤務時間が増えたりメンタルが落ち込んだりしていた中でこの冊数はまあまあの結果では、と自画自賛しています。
わりと重ための本が並ぶラインナップですが、良ければお付き合いください。
貝に続く場所にて
しんと心に積もった小説ベスト。いつか大切な人をなくした時に、大事な一冊になる予感がした。還らない人との向き合い方、受け止め方は人それぞれで、かかる時間もまた一人一人次第ということを静かに肯定してくれているような本。
アンダー、サンダー、テンダー
一本のフィルムで撮影された映画を見ているかのような小説。もう戻らない日々はなんてまぶしくて切なくてさみしいことか。日常の儚さと愛おしさを同時に考えさせられた。忙しさに追われてつい忘れていってしまうけど、何気ない日常の事をどこかでちゃんと記憶しておきたい。
火定
一番飲み込まれた小説。澤田さんの本は初めて読んだけど、文章が上手で内容も面白い。厄災のタイミングでは本当にその人の強さや弱さがもろに出るんだなあと、このコロナ禍の中で他人事ではないと思いながら読んでいた。正しく生きることの難しさを改めて知る。
実力も運のうち 能力主義は正義か?
去年のベストにあげた「100分で名著 ブルデュー ディスタンクシオン」に通ずる一冊だと個人的には思っている。親ガチャ、環境ガチャ、なんて言葉も浸透しているような世の中で、改めて考えなければいけない問題のような気がしていて。能力主義なんで、って言葉で必要な支援だったりがスルーされてしまっているのかもと。大学生くらいまでめちゃくちゃ傲慢な考え方をしていた過去の自分が恥ずかしい。
ママにはならないことにしました
母親になって後悔してる
年代、性別を問わずあらゆる人に読んでほしい本達です。こういう感情を持ったっていいのに、それを他人、ましてや世間とか国に否定される筋合いはないとは思うのだけど、どうして子供を持たないって意思に対しては露骨に眉をひそめられるのだろうね。子供を持つって絶対に簡単なことじゃないなって読んで改めて思った。
女ふたり、暮らしています。
今年のベスト本、最後は明るい本で締めます。他国とはいえ、少し上の世代の女性がこのような生活を選んで持続していることにほのかな希望を抱く。同性同士、恋愛を絡めない生活というのを抜きにしても、共同生活としてとても健康的だなと思う生き方が綴られていて、憧れの二人になりました。家族や友人との関係、近所付き合いの様も軽やかで心地よい。自分の周りすべて穏やかでゆるやかなつながりの中に生きる生活はとても良いな。シンプルだけどこだわりのあるインテリアもとても素敵。
以上、2022ベスト7冊でした。今年も良い本にいっぱい出会えて幸せです。
せっかくだし来年の目標も立てておこう。漫画抜きで100冊読むことと、ツイッターでの感想ログを復活させること。
来年もまた幸せな読書生活ができますように。それでは皆様良いお年を。
昨年分はこちらから。