ここ数年よりぐっと読書量が増えた今年、久しぶりに年間読了冊数が100冊を超えました。なんでだろう、長距離移動で結構読んでたりしたのかな。今年はXやインスタでフォロイーさんが紹介されていた本を読むことが結構多かったです。自分一人ではリーチできない本を色々知ることができて、充実した読書生活になりました。
そんな中で選んだ今年のベスト6作はこちら。

レーエンデ国物語
1冊目から4冊目までがっと読んだ。おっもしろかったー!!どの巻も特に序章と最終章が好き。物語本編に登場人物が生き生きと描かれているのももちろん好きなんだけど、最終章はそこがぎゅっとまとまっているうえに、時には本編の経緯や結果が後世に残ってなさそうな描写を読むと「歴史」を読んでいるんだなあという壮大な気持ちになる。これまで読んできたファンタジーとはまた違う面白さ。最新刊の発売が待ち遠しくてたまらない。ちなみに2巻が一番しんどかったけど一番好きでした。
スイマーズ
公営プールが舞台ということに惹かれて手に取った小説。プールの湿度や匂いを懐かしく感じるとともに、後半にかけてどんどん胸が苦しくなっていった。認知症が進んでしまうこと、そういう状態の親と向き合うことが本当に辛くて。いつか来るかもしれない未来をそっとのぞいたような、胸が締め付けられるお話だった。
人間標本
イヤミスの女王という肩書きがふさわしい一冊。こんなの湊かなえにしか書けない。最初がクライマックスかと思いきや、話はどんどん広がって、最後に真っ黒な正方形の箱に閉じ込められるかのように収束していく様が見事だった。そしてめちゃくちゃ怖かった。個人的に風呂敷を畳むのが本当に上手な作家だと思う。ネタバレを何も見ずにとにかく読んでほしい本。
100年後あなたもわたしもいない日に
去年エッセイをベスト本に選んだ土門蘭の短歌が胸に残り続けている。この方の世界への眼差し方、捉え方が好き。自分にとって馴染みやすい感覚だなと思っている。昔読んだ小説にずっと心に残っている描写があるんだけど、その表現に似ている短歌が収録されていて、それもなんだか嬉しかった。寺田マユミの絵も短歌と調和していて、一冊としての収まり具合が良いなと思った。特に好きな短歌の一つはこちら。
肋骨が開いて羽根になればいいその身ひとつで空に呑まれる
野球短歌 さっきまでセ界が全滅したことを私はぜんぜん知らなかった
熱心な阪神ファンの悲喜交々がまさか短歌で読めるなんて。自分ではそこまで積極的に野球を見るわけじゃないんだけど、10年間以上春のキャンプからオープン戦、シーズン戦まで見ていたら情がわく、私にとっての阪神はそんな存在なのだけど、そういう私でも胸にぐっとくる短歌がたくさんあった。負けて悔しくて切なくてむかついたりもして、でもやっぱり阪神のことがどうしようもなく好きなんだよなっていう阪神ファンの気持ちが痛いほど表現されている。この本を踏まえてから2023年のリーグ優勝&日本一を振り返ると泣いちゃうと思う。
ちょっと踊ったりすぐにかけだす
おくれ毛で風を切れ
母の視点から家族との生活を綴ったエッセイ。軽やかで思わず顔がほころぶようなエピソードの数々にとても和む。意識されているのかどうか分からないけど、作者の目線がフラットなのもいい。ただ起こった事をそのまま受け止めているという感じ。日常をここまでの鮮やかさで捉えられる人の目ってどうなっているんだろう。カラッとした五月晴れの日みたいな、コインランドリーの暖かさみたいな、そんな読後感の本だった。
以上、今年のベスト本達でした。
珍しくあんまり寂しくないラインナップになった気がする。後今年久しぶりにたくさん読んで、やっぱり読書っていいと思った。選ばなかったけど社会問題とか歴史、社会学の本とかもちょこちょこ読んでいて、文字で読むのが一番頭に入るなって実感した。そしてシンプルに楽しい。来年もまたたくさんの本と出会っていくぞ。





































