夕空に背のび

特技はフットワークの軽さの(24)。読書と旅行と音楽と写真が好きです。主に東海・近畿をうろちょろしています。

【大阪・天満橋】 JTRRDCafe におでかけ。フォトジェニックで目でもおいしいランチとスムージー

知らない間にかわいいカフェがいっぱいだった天満橋。その中の一つ、JTRRDCafeに行ってきました!

 

 

 JTRRDCafe

ある日友達がここ気になんねん~めっちゃかわいくない!?と見せてきたインスタの画面。そこにはとってもカラフルでおいしそうで芸術的なスムージーが映っていました。お店の名前はJTRRDCafe。

www.jtrrd.com

HPから感じるこのおしゃれ具合!行くしかない!

 

アクセス

 京阪天満橋駅から徒歩5分程度、地下鉄谷町線天満橋駅から徒歩7分程度です。

京阪の改札出てすぐのマクドナルドの横の出口から出るとわかりやすいと思います。地下鉄谷町線を利用する方も、まずは京阪の駅目指したら大丈夫です。

駅でたら橋を渡ってすぐ左折、3つ目の角を右に曲がったらすぐです。

 

混み具合

行ったのは土曜日。インスタを見てると混雑していそうだったので、開店30分前にお店に着きました。この時点で私たちは2組目。開店と同時にお店に入ることができました。

1時間ほどしてお店を出るとおそらく10組は並んでいました。席が10席ほどしかないということと、お昼の時間はランチ+スムージーを頼む人が多かったので結構並ぶかと思います。

 

こじんまりとしたおしゃれな店内

お店はカウンター6席ほどとテーブル1組のこじんまりとした感じ。店長さんが選ばれたセレクトグッズがさりげなく陳列されていて、とってもおしゃれ空間でした。セレクトショップも兼ねられていますが、最先端でそわそわする感じではなく落ち着く感じのおしゃれさです。

 店員さんもにこやかで「寒い中おまちいただいてありがとうございます!」ってにっこり声かけてくれはりました。こういう一言ほっこりします。

 

スムージー!の前にランチ!

もともとお昼を食べる予定だったので2種類のランチメニューから私はパプリオム、友達はパプリカレーを選びました。パプリって何かって

こういうことです。パプリカの器に入ったオムライスです。まず見た目がおいしい!

このパプリカをナイフで切って食べていくのですがちょっとシュールで楽しかったです。こんなパプリカ丸々食べたの生まれて初めて。もちろんオムライスも優しい味でおいしかったです。

 

いよいよスムージー

そして食事の後は今日のメイン、スムージー。サイズとあか・ピンク・きいろ・むらさきなどの色を選んで注文するシステムでした。私はピンク、友達はきいろ。でてきたのはこちら!

かわいい!すごくビタミンカラーで飲んだら元気になりそうって感じがめっちゃする!表面の模様も一つ一つ違っていて本当に芸術品みたい。友達とかわいいかわいい崩すのもったいないって盛り上がりました。

ピンクはいちごとバナナ、きいろはつぶつぶみかんっていう感じ。本当にフルーツの味が濃厚でした。下層のバジルシードとヨーグルトを混ぜたら味がさっぱりして、一度で2回おいしかったです。

 

ほかにも気になる天満橋カフェ

どうやら天満橋にはまだまだおしゃれカフェがあるらしい。次に気になっているのはこのカップがクッキーになっているカフェです。

ja-jp.facebook.com

ごはんもとてもおいしそう…!

まだまだフットワーク軽く大阪のすてきカフェを探していきたいです。いいカフェありましたら教えてください。

 

そっと自分の思い出を抱きしめたくなる。 小川洋子『密やかな結晶』を読んだ

 

おそらく中学生の時に親のを勝手に借りて読んだ小説です。たまたま図書館で手に取り、遠いデジャブみたいなものを感じながら読んでたのですが、今検索してみると2018年2月から石原さとみ主演で舞台化されるそうです。知らないうちにタイムリー。 

 

 

 

あらすじ

 

『妊娠カレンダー』の芥川賞作家が澄明に描く人間の哀しみ。記憶狩りによって消滅が静かにすすむ島の生活。人は何をなくしたのかさえ思い出せない。何かをなくした小説ばかり書いているわたしも、言葉を、自分自身を確実に失っていった。有機物であることの人間の哀しみを澄んだまなざしで見つめ、現代の消滅、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く傑作長編。(講談社文庫)
 
 

 Key pop

ある朝目が覚めたら、何かが消滅している世界
主人公のわたしが住んでいる島は、ある朝起きたら何かが消滅している世界。たとえば、エメラルドや鈴、香水のような「もの」が人々の記憶からある日突然消えてしまいます。消滅したものを人々はものとして認識できず、価値のないものとして埋めたり捨てたり燃やしたりして自分たちの生活から遠ざけ、今周りにあるものを利用して生活を築いていきます。
この世界に浸透しているのは消滅への静かな受容とあきらめ。
どんなに大切にしていたものでも、あるいは仕事に関するものでも、消滅してしまえば人々はそれをいともあっさりと手放します。その執着のなさは読んでいるこちらが悲しくなるほど。
 
記憶が消えない人の悲しさと希望
主人公の母のように島に消滅が起こっても、ものの記憶を失わない人もいます。彼らは異端として秘密警察なる警察組織に追われ、隠れ家や知り合いの家に身をひそめています。
わたしの家にもそんな記憶を失わない人が一人隠れることになるのですが、その人と記憶が消えていくわたしの違いがどんどんくっきりと表れてきて、とても切なくなりました。
みんなが静かに消滅を受け入れる中で、主人公の記憶が薄れることを食い止めようとする彼は痛々しいですが、この物語における唯一の希望だと思います。

 

思い出が人を形作る

消滅が起こるたびにものに関する記憶=思い出が少しずつ消えていく主人公は、そんな自分たちを心が衰弱していっていると悲観します。何か懐かしいものを見てもそれに対して何の感情も持てないことは、悲しい。心を失っていく主人公たちが哀れだけど、どこか他人事ではない痛みも感じます。

この小説を読んで、今の自分を作っているのは過去の経験や思い出なのだと思いました。

眠れない夜、静かに消えてしまいたくなるに夜におすすめ。大切な記憶をもう一度取り出してながめたくなる一冊です。

「アイドル」が書いた「芸能界小説」、じゃない。 加藤シゲアキ『ピンクとグレー』を読んだ

去年の今頃、私は関ジャニ∞を好きになりました。そこから一年。ジャニーズ好きで読書好きなら絶対読みたいと思ってた『ピンクとグレー』をようやく読みましたのでブログに書きます。

 

 

 あらすじ

大阪から横浜へ越してきた小学生の河田大貴は、同じマンションに住む同い年の鈴木真吾と出逢い、中学高校大学と密接した青春時代を送る。高校生になった二人は、雑誌の読者モデルをきっかけにバイト替わりの芸能活動をスタート。大学へ進学した二人は同居生活を始めるが、真吾がスターダムを駆け上がっていく一方で、エキストラから抜け出せない河田だけが取り残されていく。やがて二人は決裂。二度と会うことのない人生を送るはずだった二人が再びめぐり逢ったその時、運命の歯車が回りだす…。

 

加藤シゲアキ『ピンクとグレー』 | KADOKAWA より)

 

Key pop

親友への情愛と嫉妬と羨望

物語はりばちゃん(河田)がごっち(鈴木)のことを綴るという形式でスタートします。

二人の幼少期の思い出、アルバイトのつもりで始めた芸能生活、ごっちの恋、 売れに売れていくごっちとくすぶり続けるりばちゃんの決別。そして決別してもなおごっちのことを嫉妬と羨望が入り混じったような目で見るりばちゃん。一緒にいたはずだったし、これからも一緒にいるはずだったごっちが自分から猛スピードで離れていくさまを、ただ見るりばちゃんが切なくて痛々しいです。

おいて行かれることの寂しさや悔しさは、結局ごっちにも向けることができなくて、自分に跳ね返ってさらに痛くなる。尊敬すべき友人が身近にいた人は、誰もが一度は感じた感情なのではないかと思います。

 

 「やらないなんてないから」

ごっちの生き方の道しるべだったこのセリフ。彼はこの信条をもって、芸能界に果敢に挑んでいきます。一瞬のチャンスをつかむには、覚悟を決める前でもひらめいて決断して動くことが大切なのかなと思い知りました。

 

「白いメダカ」と「オニアンコウ」

物語に登場する二つの耳慣れない生物はそのまま登場人物を連想させます。個人的にはこの比喩の使い方がいいなと思いました。

二人の幼馴染の石川曰く「色はその物質が嫌って弾いた」もので、「色素がいらないからアルビノに生まれたのにまだ他者の目にうつってしまい」「嫌った色をうつる自分を見られたくなくて、すべての色を吸収して透明になった」白いメダカ。

 一方でオスはメスに取り込まれ、生殖器としてしか活動しえないオニアンコウ。

誰が白いメダカで誰がオニアンコウなのか。ぜひ想像しながら読んでほしいです。

 

二つの結末 その最後を「幸せ」と呼びたかった

りばちゃんがごっちについて書いた文章の結末。そして小説としてのラスト。別離から年月が過ぎて再会した二人が迎えた結末は衝撃的なものでした。

特に小説の最後はさまざまに解釈できると思いますが、どうしたって離れられなかった二人が 、再会した後その結末を選んだのだとしたら、もうそれは一種の幸せなんじゃないかと私は受け取りました。もっとさわやかに終わらせようとしたらいくらでも方法はあっただろうけれど、この締め方が『ピンクとグレー』を余韻をもって終わる小説に仕立て上げたのだと思います。

 

これは「小説家」が書いた「小説」

冒頭でも書きましたが、私がこの小説を読もうと思ったきっかけはジャニーズの加藤さんが書いたからというそ一点だけでした。読み進めていくうちに誰が書いたとかそんなことは忘れて没頭していました。芸能界の裏側が書いてあるわけでもない、ただ、二人の男性の切なくて痛い物語でした。

アイドルが書いたとかそんな枕詞全部取っ払って、切なくて灰色の世界観が好きな方に読んでほしい小説です。

 

 

ふわふわぬくぬく mofuaの着る毛布で冬ごもり

秋がきた!!と思ったのに気づけばもう冬ですね。冬用コートを出し冬用布団に包まれる日々を送っています。

最近の幸せはホットカーペットの上でごろごろどうぶつの森をやること。ですが今持っているブランケット(ジョーシン粗品)では足までカバーできずどうにも寒い!

というわけで冬用の着る毛布を買ってみました。

めちゃくちゃ暖かくて最高なので、届いてから数時間ですが勢いでブログを書きます。

 

 

mofua の 着る毛布

 

 購入したのはこちらの星柄グレー。毎日部屋で着るのでなるべく目に優しい色をと思いました。

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写真よりももうちょっと濃いですが明るいグレーがかわいい!

 

おすすめポイント

暖かい

当然なんですが、めっちゃ暖かいです。今までは帰って着替えてから暖房の前で10分ほど固まるロスタイムがありましたが、これを羽織るととりあえず動こうかなってぐらいには暖かくなります。

お風呂あがりに羽織ると湯冷めもしませんし、寒い朝でも羽織って白湯でも飲むとだいぶ暖まれそうです◎

 

軽い

とにかく軽い!こういう羽織は肩こりが悪化しがちなのに、これは今まで使ってた裏地付きの半纏より断然軽いです。

 

着丈が110cm

身長150cmないぐらいの私が着て、足首より少し上くらいです。体全体がほぼ覆われてるのでとても暖かい。着たままホットカーペットの上に寝転がればセルフこたつの完成です。

反対に背が高い人は脚が半分ぐらい出てしまって寒いかもと思いました。またボタンが下までついてるわけではないので、少しはだけるかもしれません。

 

フードつき

服着てても結構首が寒かったりするんですよね。ただ普通に座ったり寝てたりするときなら、このフードを羽織れば首のヒヤッと感が軽減します。動くときは気になるかも。まだ試してませんが、首のところににチンして肩をぬくめるやつとか湯たんぽいれたら幸せが広がる気がします。

  

着る毛布でぬくぬく生活

この毛布を着ると辛くて寒いとき、とりあえずなんかやろうかなっていう気持ちになれます。家時間を少しでも快適に過ごすために買いましたが、買って正解だなと思いました。

早く休日になってごろごろしながらゲームやって読書してって生活がしたいです。

 

花と光の幻想世界 FLOWERS by NAKED NAGOYA におでかけ 【11月26日まで】

 

 

 

FLOWERS by NAKED NAGOYA

東京や沖縄で開催されていたクリエイティブカンパニーNAKEDによる、「五感で楽しむ花の体験型アート展」が名古屋にやってきたので行ってみました。

なんでもめっちゃインスタ映えするような、素敵空間なのだとか。

https://flowers.naked.works/2017nagoya/

公式HPから伝わるこの幻想的な感じ、めちゃくちゃ好みです。

 

アクセス・混雑具合

会場はあおなみ線ささしまライブ駅から徒歩すぐのグローバルゲート名古屋コンベンションホール。名古屋駅からも歩いて15分ぐらいで行けます。zeppNagoyaや愛知大学があるエリアの建物です。

私は会期中の土曜日14:00ぐらいに行きましたが、その際はチケット売り場には待ち列はなく、15分ぐらい並べば会場に入ることができました。ただ出てきた際は、入場列が3,4倍ぐらいの長さになっていたので、多少待つ場合もあるようです。

 

目を奪われる展示の数々

入ってすぐ待ち受けるのは、巨大な本のオブジェ

この大きな本に映像が投下され、ページが自動でめくられていきます。

ここからの展示に期待が膨らむオープニング作品です。

 

続いてはこちら。壁の前に立つと27種類の花のうち1種類が咲いて、花言葉を教えてくれます。私はガーベラ、友達はパンジーでした。

 

こちらは色合いと光がとても好きだった作品。静寂な雪景色に咲く花に青や白の光が走る様が綺麗。

 

「奇跡の桜」が広がるメインブース。ふわふわのピンクの桜が青白い周囲に映えて、雪の中に咲く桜のような特別な美しさがありました。

また、飲食ブースがこちらの奥にひっそりとあります。おいしそうなお酒が販売されていましたので、興味のある方は是非。

 

一番好きだった最後のブース。花の実験室。この秘密基地みたいな空間で夜な夜な実験している魔法使いがいそうなファンタジー感があふれる作品でした。細かなところまで凝ってあって、かなり長い時間眺めていました。

 

物販コーナーもありました。花の香りの香水やアロマ、アクセサリー、今人気のハーバリウムなどが売っていました。

 

都会で味わう非日常体験におすすめ

もともとプロジェクションマッピングやテーマパークなど作りこまれた非日常作品・空間が好きなので、今回の展示はとても興味深く楽しかったです。滞在時間は45分ほどでしたが、身動きが取れないほどの混雑ではなく、好きだなーと思った作品はじっくり眺めることができました。

日常でアートを味わったり幻想的な空間が好きな方、綺麗な写真が撮りたい方にとってもおすすめなイベントです!

 

 

恋と愛と情と結婚。 川村元気『四月になれば彼女は』を読んだ。

 

川村元気『四月になれば彼女は』

 表紙のウユニ塩湖だと思われる写真に惹かれて、映画製作者として著名な川村元気さんの恋愛小説を読みました。

文藝春秋より2016年に刊行。

思わせぶりなタイトルが素敵です。

 

あらすじ

 

4月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。
そのとき僕は結婚を決めていた。愛しているのかわからない人と。

天空の鏡・ウユニ塩湖にある塩のホテルで書かれたそれには、恋の瑞々しいはじまりとともに、二人が付き合っていた頃の記憶が綴られていた。
ある事件をきっかけに別れてしまった彼女は、なぜ今になって手紙を書いてきたのか。時を同じくして、1年後に結婚をひかえている婚約者、彼女の妹、職場の同僚の恋模様にも、劇的な変化がおとずれる。
愛している、愛されている。そのことを確認したいと切実に願う。けれどなぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去っていってしまうのか――。
失った恋に翻弄される12カ月がはじまる。

 

文藝春秋 HPより)

 

 

恋と愛と情と結婚

 元恋人の手紙は静かな湖に放たれた小石のように、穏やかな同棲生活を送っていた主人公とその婚約者を揺り動かします。その揺れはいつしか主人公の周りをも動かして、登場人物たちは自分たちの「恋」「愛」「情」に向き合っていく。

昔経験した恋のような感情はもうないけれどこの結婚は正解なのか、なぜ人は結婚するのかと思い悩む主人公ですが最後の選択は、物語の美しい情景と相まって、心に残るものとなりました。

 

過ぎていく12ヶ月ときれいな過去

この話は最初に元恋人の手紙が届いた4月から次の3月までゆっくりと進んでいきます。主人公はその1年で過去と現在を見つめ、未来へと目を向けます。

この1年という単位がとてもいいなと思いました。怠惰でなあなあでやってくる未来ではなく、自分でじっくり悩んで選んで掴む。なかなか急に変わることは難しいし同じところを何回も回るけど、そうやって試行錯誤したら1年後には別の場所に立っていられる可能性があるのだなと。

元恋人との過去は何回考えても変わらないし、急に海外からの手紙なんていう手の届かない形で再会して、思い出は色褪せないまま綴られていて、正直こんな元カノいるなんて反則やろって気持になりました。笑 

過去なんてどうやってもきれいで大切なものなんだから、その過去に囚われることなく、今を生きる栄養素にできたらいいなと思いました。

 

余談:元恋人の撮りたいもの

 元恋人と主人公は大学の写真部仲間。物語の中で、元恋人が主人公になにを撮りたいのかを尋ねられ、「写らないもの、でしょうか」と答えるシーンがすごく印象に残っています。

 昔Iphoneで写真を撮るのにはまっていたとき、一番撮りたかったことは今ここの雰囲気だったことを久しぶりに思い出しました。その時は一眼を買っても重たいし使わないかなと思い購入を見送ったのですが、この冬、また一眼調査ブームが自分の中に再燃しそうです。こういう風にフィクションの世界に現実の自分が影響されるのも本や映画のいいところだとひそかに思っています。

これは、ボクの勇気のハナシ。 宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』 を読んだ

 

活字中毒23年目

 

実は年間数十冊は小説を読む活字中毒です。新聞雑誌SNS電車の広告テレビの字幕…とにかくあらゆるものを読むくせを持って生まれ早23年。

ちなみに今年は現在小説77冊。

ただ読むだけでも楽しいのですがせっかくなので読書記事を書いてみることにします。

 

宮部みゆきブレイブ・ストーリー

 

記念すべき一作品目はアニメ映画化もされた『ブレイブ・ストーリー

角川文庫より2006年上中下の3巻で刊行。

映画化された当時読み、その重たさによく映画化したな!?と驚いた思い出の本です。

 

 

 あらすじ

 

主人公の亘は小学五年生。ちょっと理屈ぽいところもあるけれど、テレビゲームが好きなどこにでもいそうな子供。なんてことのない平凡な生活を送っていたある日、亘の父が突然、愛人と暮らすと家を去ります。あまりにも急な運命の変わりように動転する亘と母。亘は「こんな理不尽な運命を変えてやる」と、不思議な転校生美鶴に教えられた、運命を変えられる場所=幻界(ヴィジョン)に一人旅立ちます。

幻界に辿り着いた亘は勇者ワタルとなって水人キ・キーマ(トカゲっぽい見た目)やネ族ミーナ(猫)といった仲間とともに、宝玉を集め、願いを叶えてくれる女神様がいる運命の塔へ向かう冒険を始めました。先を進む魔導師ミツルの後を追って。

 

 好きポイント

 

とにかくわくわくする読むRPG

 

なんといっても、まるでRPGのような幻界がたまらなく魅力的です。個性豊かな異形の民族、それぞれの特徴を生かして活躍する幻界の人々、その土地に合わせた街、そして時には悪役まで。1つのRPGの世界として出てきても全く不思議ではない作りこまれた世界。

RPGをはじめゲームが大好きなワタル。私たち読者はそのワタルの目を通して幻界の綺麗なところから闇の部分までを堪能することができます。

 

ワタルとミツル 二人の旅人の対比

勇者になったワタルは、勇者になったからといっていきなり強くなることもなく手探りのまま冒険を始めます。一方のミツルは現世にいたころから抜群に賢いその頭脳をもってして大いなる魔導師として強大な力を操りながら旅を進めます。

未熟ゆえに数々の仲間と協力するワタルと、自分の信じる道を最短ルートで冷酷に進むミツル。この正反対な二人の旅人はいつしか、幻界全体を巻き込む残酷な運命の分かれ道にたたされ、悲しくもあまりに正しくて納得せざるをえないような結末が彼らを待ち受けます。

物語のラスト、私はミツルが愛しくなって胸がつまりました。宮部みゆきは正しく、容赦が無い。異論を唱える隙もないけれど納得もしているけれど、あんなに感情移入させたくせに、そんな。みたいな気持ちがうずまきました。

 

 

これは、勇気と運命と二人の小さな旅人の話。

 

RPGが好きな人は同じくゲーム好きなワタルの目で見た、いきいきとした幻界をきっと好きになると思います。長編ですが、初宮部みゆき作品な人にもおすすめの作品。宮部みゆきの面白さと残酷さと正しさを味わえるシリーズです。